森本千絵(と児玉裕一)とMr.children

先週末に、学生時代のバンドメンバーで岩手へ旅行に行ってきた。そのことはまた追々書く(かもしれない)として、車中で長らくBGMとしてかかっていたMr.childrenについて云々考えたのでメモ程度に記す。

バンド仲間のうちの2人がミスチルをこよなく愛しており、今回の車中BGMはライブの音源をネットから拾ってきてiPodに落としたものだった。わたしは恒常的にミスチルの音楽を聴くわけではないが、小さいころから既にJ−POPを代表するバンドとして君臨していたし、人格形成期がちょうどミスチル現象の時代ともろかぶりしているので、最低限は知っているし最低限は歌える。くわしいことがわからないのでファンの人からしたらぷぎゃーかもですが、桜井さんの天才的な作詞作曲センスとコバタケの相変わらずのプロデュース力には感服でございます。

で、そのライブ音源とはSUPERMARKET FANTASY のツアーのものだったんだけど、このアルバムが好きだったので聴いていてとても楽しかった。特にエソラ!この曲の醸すしあわせいっぱい感とはなんなのだろうね。演奏はめいっぱいゴージャスで、メロディラインはしなやかで意外性に富んで、歌詞は音楽の力を歌っているにも関わらずタイトルは‘絵空(事)’で全てをひっくり返すこのセンス。まじすげーーー!!!!って叫びたくなるくらい。

それで思い出したんだけど、そういえばエソラのPVって児玉裕一が噛んでいるのだった。SUPERMARKET〜のジャケットのアートワーク(というかアルバム自体のコンセプト、タイトルなんかも含めて全て)は森本千絵で、PVはその森本さん+児玉さんというすごいタッグである。
前のブログにも何回か書いているけど、わたしは児玉さんの作品が大変好きなのです。仙台に縁があることもあり、イベントでお会いしてほんのすこし直接お話させて頂いたこともあって、なんならそのイベントのじゃんけん大会で勝ち抜いてサインを頂いてもいる(自慢w)ほど好きなので、たぶん児玉作品において客観的な判断ができない。
それでも、森本千絵児玉裕一が組んだら多分にすごいだろう、とはちょっと映像をかじった人なら誰もが思うわけで、実際エソラのPVは果てしなく素敵だった。歌詞に「輝きを撒き散らしては僕らに夢を見せる」という一節があるのだけど、それを映像でまるまる体現している。すごい。あの映像のイメージ、つまるところアルバムアートワークすべてが曲の世界観にぴったりはまっていて、それがまたエソラを好きになる要素の大きなところなのだと痛感する。

そう児玉さんはもちろんすごい。けど、このアルバムにおいて、完全なる勝利者(負けてる人いないけど)はなんといっても森本千絵だとおもった。
あのアートワークを観てミスチルメンバーが感銘を受け、エソラはじめアルバム全体の方向性を転換したという話を随所で見かけたけど、そのエピソードにとても納得。もっと言えば「スーパーマーケット・ファンタジー」という考え付きそうで絶対に考え付かないであろう単語をつくったセンスも素晴らしくて、この1枚においてはプロデューサーはコバタケではなく完全に森本千絵であるとおもう。
そもそもあのジャケット、それまでのミスチルではちょっと有り得ないし。ミスチルミスチルでありつつも、これまでのミスチルでは打ち出してこなかった何らかの一面を引き出した立役者だよねえ。もはやイメージプロデューサーというか、コンセプトディレクターみたいな。(今調べたら、コミュニケーションディレクター、を自称されているのですね)この作品を知るまで、森本千絵博報堂出身で、CMとかやっていて、空気人形の人、ということしか存じ上げていなかったのだけれど、なんと素晴らしいクリエイターがいるのだろうと感動した。何様だけれども…w
とにもかくにも、音楽のアプローチに視覚や言語感覚がぴったりとはまると、絶大な威力を発揮するんだなーとおもったのでする。ほんと、ためいき出るくらい素敵。

ああエソラの話ばっかりしちゃったけど、ほかにミスチルで好きな曲はフェイクとかニシエヒガシエとかです。がりがりかっこいいのが好きです。

長らくファンをやっている人がうらやましいなーとおもった音源だった。この音楽を聴きながら(&友人による桜井さんのライブMCのモノマネを拝聴しながらw)旅行できて、そういった意味でも大変実りある週末でございました。たのしかったなあ。