2/29 東京事変「Live Tour 2012 Domestique Bon Voyage」ライブシネマ@ワーナー名取


※前半から盛大にネタバレです。今後発売されるであろう映像作品を堪能されたい方は読み飛ばしてください(´・ω・`)
※本文中で何度も申し上げているとおりわたくしは当日遅刻しているので、主に前半部分は最初から観ていた妹の 感想で補完しています。







「本当に感無量です、言葉もありません」
とはアンコールの最後に椎名林檎が放った言葉だが、観ているほうも全く同じ気持ちだったと思う。
だけど湿っぽさは皆無で、晴れやかに終わったのが印象的だった。やっぱり事変は事変だなあと思った。


そんなわけで、事変の閏日解散公演のライブシネマに行って参りました。
仕事が終わらず大幅に遅れて入ったのが悔やまれるわけですが、それにしても本当に行ってよかった。
ちなみに名取のワーナーで映画観たのって初めてだったんだけど、あんなに大きなスクリーンがあるんだね!しかもとれたチケットがたまたま最後 列のど真ん中 という超良席で、その点ではしょっぱなから感無量だったw ほんとうに遅刻が悔やま(ry



今回は内容云々を書き出す前に、セットリストを見て頂きたいとおもいまする。

01.生きる
02.新しい文明開化
03.今夜はから騒ぎ
04.OSCA
05.FOUL
06.シーズンサヨナラ
07.海底に巣くう男
08.怪ホラーダスト
09.ほんとのところ
10.sa_i_ta
11.能動的三分間
12.修羅場
13.絶体絶命
14.アイスクリームのうた
15.おいしい季節
16.女の子は誰でも
17.御祭騒ぎ
18.天国へようこそ
19.タイムカプセル
20.電波通信
21.閃光少女
22.勝ち戦
23.キラーチューン
24.空が鳴っている
ーーーー
25.丸の内サディスティック
26.群青日和
27.青春の瞬き
ーーーー
28.透明人間


あああああああもうセトリ観ただけで胸が高鳴る…!!!!
ちょっとでも事変をかじったことのある方ならすぐにわかると思うのだけれど、それはもうとにかく豪華だったのだ。東京事変の8年を総ざらいするに 相応しい、このラインナップそして演出。大きな括りとしては14曲目を跨いで時空の流れが全く異なるかのよう な曲順です。
1曲目生きるとか聞いただけで鳥肌。スポーツに限らず、生きるって本当にプロローグな曲だから、全てが始まる感じがする。いわゆる終わりのはじまり的なw 壮大な事変の世界の産声が聴こえるようです。ライブの方が迫力あるしねこれ。

妹いわく、直近アルバムcolor barsの曲を前半にどん!とやってしまうのがなんとも事変らしくスマートでよかったらしい。その話を聞いて、ああ、そもそもcolor barsはそういう位置づけで出されたのであろうなあと思った。東京事変と言うバンドの総まとめでありながら、Domestique Bon Voyageとしては幕開けに過ぎない1枚であるのだなと。結末にして導入という、まさに放送終了〜開始の間に流されるカラーバー映像のように。
ぐいぐいくる曲、メンバーの個性的な曲、を経て、sa_i_taから絶体絶命までの疾走感は本当にお見事だったそう。


わたしが観たのは修羅場から。凄く楽しみにしていた能動的三分間を見逃したのは惜しいけれど、入場して修羅場が聴こえてきた瞬間からもううるっときていた。修羅場って全然泣くような曲じゃないはずなんだけど。なんでなんだろうなあ。個人的に、学生時代に多く聴いた1枚が大人だったからだろうか。
そうだよなあ大人は本当にすごい1枚だった。第2期が始まったばかりの事変は、椎名林檎のアンニュイで怪しげで蜷川実花の極彩色のような世界に、4人の殿方たちの手でファンクや歌謡のちょっと暗めのフィルターをかけて貰ったかのような音楽。そういうイメージ。その印象が余りに鮮明で、エポックメイクな感じだったからか。身体の底にあるスイッチを押されたような感じで、無意識に泣きそうになった。そういった身体に働きかける威力が、この人たちの音楽にはある。

ところで中盤「アイスクリームのうた」!!!これは確実に特記事項です。
あーーーーーーーーーーーもう!!!!可愛すぎて可愛すぎて悶絶しそうだったwwww
なにが可愛いって、男子4人(*´Д`)=3!! ※林檎嬢はお色直し中
4人みんなで、あの童謡の名曲・アイスクリームの歌をうたったのですよ(*´Д`)=3
ピンクのかわいいスーツをびしっと決めて、師匠もわっちも浮雲さんもハタさんも「あっいすっくっりーーーむーーー♪」て!!あいすくりーむてーーーーーー!!!!!wwwかわいいwww
一葉推しwのわたくしとしてはきゅんきゅんしっぱなしでございました。うおーわっちかわいいー。選曲がいいよねえ。今回のsa_i_taのアイスクリームモチーフにぴったりだしね。このあとおいしい季節につながるのも素敵なのよね。
そしてこの1曲で、お色直しの林檎嬢の登場とともに雰囲気がまたがらりと変わるのだ。なお一層、名曲劇場へ!

女の子は誰でものショウアップな感じをはじめ、林檎さんは本当にかわいい。綺麗。お美しい。所作から何からね。この人が歌うから東京事変東京事変たるというような。演出や衣装も、最大限、林檎さんを素敵に見せることにこだわって作りこまれているのがひしひし伝わってきてそれだけでおなかいっぱい。
タイムカプセルで一息ついたあとの、電波通信→閃光少女→勝ち戦→キラーチューンは、凄く芸術的な曲順で感動した。なんていうのですかね、ときめき(まゆゆ風)がおさまらないのw 感情の高ぶりが休まる暇が無い。かわいいMCもあったし、曲たちは事変ファンにしたら聴きこんでいる曲、世の中でも結構聴かれてきた曲をばばばばーっと詰めてくるので、もうほんとときめきですよ。そして空が鳴っているで、「お願いです終わらせないで」と歌わせて本編終了とは。
名曲が多いバンドは自ずと往年の名曲(と言っても群青日和でさえまだ8年前)をクライマックスに持ってくるのだろ うけど、それにしてもこのライブの後半はどこがクライマックスかわからなかった。それくらい1つ1つが名曲で、甲乙付けられないのでする。

浮雲「ボンボヤってる?w」をはじめとして色々名言があったMCですが、一葉さんの「皆さんの中で音楽は生き続ける。足りなくなったら椎名さんに連絡してください」の一節はいろんなニュースサイトでもよく引用されておりましたね。個人的にツボ(?)だったのは、
浮雲「フルボヤった人いるの?」←だったかな
客席から「はーーーい」の声。結構いるっぽい
林檎「あら。それはできないようになっているはずなんだけれど」
メンバーうふふな微笑。
ていうところですw そういうシステムになってたんだね今回の公演は。メンバーには全然悪意がある感じじゃなかったんだけど、‘元気のない邦楽界に力強い息吹を’的な志をもって結成されたというバンドの皆様が言うと物凄く含蓄があった(と深読みしたw)。いろいろおかしい近年の邦楽界で、やっぱりこの人たちはスーパースターだったよなあ。パフォーマンスも、心意気も。音楽と言うおもてなしの在り方を至極正しく、全うしている。


アンコールで丸の内サディスティックを聴けたときにはまた涙腺がゆるんでしまった。林檎ソロのそれとはまた違うよさ。わたしは丸の内の、「マーシャルの匂いでとんじゃって大変さ」という一節がとにかく好きだ。楽器は、歌声は、音楽は、というかこの人たちの言う「音楽」は、文字通り麻薬だと思う。爆発的に快楽であり、楽しいものだと思う。


ラスト、ダブルアンコールまでの群青日和→青春の瞬き→透明人間 は本当に本当にお見事。
群青で、観ている者はその8年のはじまり、「当事者を回避し」なかった東京事変の登場に思いを馳せ、「時よ止まれ 何ひとつ変わってはならないのさ正に今僕ら目指していた場所へ辿り着いたんだ」とのたまう青春の瞬きにその爛熟を見、透明人間の「またあなたに会えるのを 楽しみに待って さようなら」とともに終焉を知る。
こんなに完璧な物語がほかに有り得るだろうかと感激した。号泣したのは言うまでも無い。

この完全なる一連の流れは、事変の活動における真骨頂だと思った。
東京事変はご存知のとおりこれまで、「教育」「大人」「娯楽」「スポーツ」「大発見」という5枚のオリジナルアルバムを発表している(大発見、は‘ディスカバリー’)。全てテレビのチャンネル縛りできて、最後のミニアルバム「color bars」=放送終了 でその活動を閉じているのだが、その変遷がなんとも計画的犯行で、そういった点からも東京事変というプロジェクトは天才的だなあとおもう。
このバンドの活動・音楽は常に壮大なスパンで計算されていて、その全てが確信犯的なのである。
解散は1年以上前から決まっていたと語られていたけど、本当はもっともっと昔、勘ぐりまくれば始まった当初から終わることありきで進められて いた活動だったのではないかとさえ感じる。それくらいひとつひとつのプロジェクトに深意があり、物語性があって、核心をついている。


1時間半しか観られなかったけど、それにしたって十分すばらしいものを観させて頂いた思いです。十二分にしあわせだった。東京事変は本人達が宣言していたとおりのプロジェクトだ。ゼロ年代J−POPの革命であり、邦楽史の一瞬の光明だったんだなあ。終わってしまうことは心底悲しいけれど、一葉さんが言っていたとおり、この音楽はプレーヤーのスピーカーを通して生き続ける。本人達の志を引き継ぐのはリスナーたる私たちでしかないのだから、事変が鍛えてくれた耳を以て、本当に良い音楽をたくさん聴いて伝えていこうと思った。今まで以上にCDをきちんと買おう、とも。
音楽を育てるのは歌い手であると同時に、聴き手でもあるのだよね。そんなことを考えさせられた。


本物を直接観る事はできなかったけれども、映像を通してでもこの邦楽史の歴史的瞬間に立ち会えたことを光栄に思います。素晴らしい音楽をありがとう!これからも聴きつづけよう。
東京事変よ永遠に!