（an imitation）blood orange

ここにきてまた、ミスチルが幅を利かせてきている（わたしの中で）。

[(an imitation) blood orange](初回限定盤)(DVD付)

ＣＭで耳にしまくり、ａｐでもこの心を躍らせ、シングルカットはまだかまだかと煽っておきながら結局最新アルバムに入れるというさすが売り方心得てますねトイズファクトリーさんとでも言いたくなるようなプロモート戦略を図った「ｍａｒｓｈｍａｌｌｏｗ　ｄａｙ」を気に入ってしまったがために、すっかりこのアルバムを聴きこむはめになってしまいました（※この書き方に悪意はあまりありません。ねんのため）
エソラのときに語られていた「潔く過剰な幸福感」が今回もたっぷりで、あまくて↑！ふわふわで↑！そんな日々の↑！（ｂｙ　ａｐ宮城の桜井さん）ことを歌ったこの曲はやはり無条件に気に入っている。このポップセンスは唯一無二。
ミスチル無知な自分がとりあえずカラオケでリクエストする無難な曲がまたひとつ増えた。これ歌える人って相当歌の上手な人だとは思うけどｗ

ところで音楽の好きな人同士でする会話として興味深いテーマのひとつに、「フェイバリットアーティストの個人的３選」というものがあると思う。要するに、好きなアーティストで好きな曲みっつ挙げるとしたら何ですか、というそれである。
最近そうやって図らずもミスチルを聞くようになってき（てしまっ）たため、そういえば自分の好きな傾向とはどのようなものなのだろう？と思って挙げてみた。
そしたら

・ニシエヒガシエ
・ＰＡＤＤＬＥ
・エソラ

かなという結論になった。（別にどこに発表するわけでもないけどｗ）
で、この結果を見ていて思うことは、わたしはミスチルの曲とかアレンジとか編曲とか、そういうサウンド演出的なところがすきなのだろうなということ。
相対的には、社会批判とか皮肉っぽい、ぎらぎら桜井さんな感じの方の曲が好きなだけれど（フェイクとかね。ああいういじわるっぽい感じのほうが断然好き。あっちのほうが桜井さんの本質っぽいよね）、選んでみたら意外や意外、ＰＡＤＤＬＥとかエソラとかの‘日常に潜む努力や幸福こそ最大の輝き’系にこにこ桜井さん楽曲が多くなってしまった。

これは多分にその曲にまつわるエピソードの印象深さというのもあるのだと思うけど、それにしても聴いているだけで胸を打つメロディラインは素敵だと心底おもう。マンネリという意見もあるが、サザン、ユーミン、達郎、などなど、そもそも大物とは当人らしい王道＝まさにマンネリ、を迎合するファン世界であるとも言えよう……と偉そうに言ってみる。
みんな、安心したくてそのアーティストを聴くような部分が大きいと思うのでね。

ミスチルの曲って、いつも、しなやかなのだよなあ。ほしいところにきちんとくれる音運び、そんなところにそうしてしまうの？という転調、それでいて壮大な構成。しなやかでありながら、緻密な計算づくでとてもいやらしい。けどそのいやらしさが驚くほど癖になるし、万人を気持ちよくさせてしまう。本当に最高峰の技巧者。

ちなみに一番やられた！と思ったのは、「フェイク」の２番の入り直前で一音ギターがぎゅーん、と入るところがあって、あれです、あれが最高に痺れた。あれほんと、池袋大勝軒で言うからし味噌だと思うｗ　あのたった一音スパイス要素のセンス。あの一音を聴きたいがためにわたしはフェイクを掛ける。

なんというか、その絶対絶妙ぎりぎりの部分のセンスのよさ*1というのが、桜井さん（と、コバタケ）の天才たる所以のひとつであると思う。今回のアルバムに限って言えば、例えば「君に逢いたい」「愛しています」連発で思わずあなたは西野カナちゃんかと突っ込みたくなってしまうような歌詞に、せつなさ１００％の極上のメロディラインをつけてきた上、タイトルを「常套句」にしちゃうあたりの感覚である。しかもこれ、ＰＶが悲恋ぽい感じなんだといううわさ。観てないけど。そういうのがね、もうね、ほんとにね、いやらしいの！すごいいやらしいよ！笑
あざとすぎるくらいあざといんだけど、でも桜井さんがやるとなんというかもうきゅん…ときちゃう*2このナチュラル感。ぜったい桜井さんほんとはもっとぎらぎらしてるのに！あーーーーやっぱりいやらしい。天才の人徳だ。

しかしまさか、１年のうちに２回もミスチルについて日記を書いてしまうとは今年の頭にいったい誰が予想したであろう。誰も予想すらしてないけど。自分でとてもびっくりです。
恒常的に聴くわけではないけれど、たまに聴くと、やっぱり平成の邦楽界を支えている大きな屋台骨バンドだなと痛感する。すごいことだなあ。

そういえば、いつもわたしの桜井さん物真似を笑いながら聴いてくれつつ実はミスチルだいすきな友人が、最近いきなり荷物を送ってきた。
何かと思えば、ミクロとマクロのコピーＣＤだったｗｗ

Mr.Children 2001-2005 〈micro〉(初回限定盤)(DVD付)

Mr.Children 2005-2010 〈macro〉(初回限定盤)(DVD付)

なんだかんだやっぱ好きよね。笑

*1:ただし「LOVEはじめました」だけは除外。どんなアイロニーだろうとウィットだろうとこれだけはちょっとｗｗ　スキマの「石コロDays」と双璧を成し得るタイトルであると認識しています（スキマ大好きなんだけどね…）。恐縮ながらわたくしも冷えております。

*2:一瞬ね一瞬よ。わたしはせっちゃんあたりにセック…とか言われたほうが何億倍きゅんときますよ。念のため言わせてくれよ！別に桜井さんdisってるわけでもないから！！！！！