そういえばそうだそのとおり

先日、読書家の知人と話していたときのふとした会話。


知「宮本輝は読んだことある?」
私「青が散るなら遠い昔に」
「どうだった?」
「あんまり記憶にないけど、好きなほうではなかったかも。若い頃に読んだからなんとなく苦手な印象だった」
「そっか。自分は好きなのよ、宮本輝
「あ、意外」
「宮本が新聞賞とか芥川直木の選考委員になり出してから」
「うん」
「しばらく、川上未映子とか町田康みたいな、文体先行型の作家の受賞が相次いだでしょう」
「確かにそうだね。ゼロ年代後半は」
「そういう頃に、宮本輝は、『もっと物語が読みたい』って言ってて」
「うん」
「それにとても共感したんだよね。同じ気持ちだった」
「ああ、それ、すごくよくわかる」



…何の気もないとりとめのないやりとりなんだけど、なぜかこれがとても瑞々しく心地よい会話だったので、おぼえがき。
共感がつながっていくのは気持ちがいい。やさしい心持になる。好きな人々と好きなことごとが重なる幸せ。