星野源ツアー「エピソード2以降」@仙台Rensa

※今回は詳細なセトリが手に入らなかったので、完全ネタバレはありませぬ。が、ちょいちょい曲名が出てきます。あしからずー!



ここ最近の活躍めざましい、源さんのライブに行ってきた。
わたしはSAKEROCKや在日ファンク関連から源さんに入ったのではなく、「aikoの彼氏」という非常に下衆なところから興味をもったクチですが、その音楽のあまりの濃厚さにどんどんとやられている次第。あっという間にとりこになってしまっております。
細野サウンドの系譜を引くゆるっとやわらかい音楽の中に、胸を突き刺すような鋭さや陰気臭さのある歌詞が好き。
誰の生き方にも必ず寄り添う、正直でまっすぐでありふれていて時に汚い諸々の感情を適切な言い回しで表現してくれる。
しかもあのルックス。完璧すぎる。そして面白い対象すぎる。。
というわけで、とにもかくにもわくわくして行ったのでした。すごい寒波の日で、仕事もこの日に限って遅くなるし、会場着いたのぎりぎりだったけど。あれは本当に肝が冷えたぜ・・・。
…前置き長くなってしまいました。

さて、会場のかなり奥の方で鑑賞開始。けど、なぜだろうか全然残念な気分にならない。っていうのは、そこまで好きじゃないからとかそういうことではなく。適切な表現ではないかも知れないのだけれど、(相当良い意味で)源さんにアイドル性を感じていないからじゃないかなあ。
というのも、少なくとも自分の場合、純粋に「星野源の音楽」に惚れこんでいるのだとおもう。たぶん。
例えばユニコーン、OT、YUKIちゃんなんかは、わたしにとっては相当アイドル。音楽はもちろん、アーティストの人となりそのものに対して異常なまでの感情があるわけです。一種の宗教のような。
なので、ライブ=聖地巡礼で、ご本尊を間近で拝むことは信者にとってはこの上ない喜び。そうやって信心をどんどん深めていって、またその音楽性をこよなく愛していくwという無限のサイクルが彼らの音楽にはあります。
それはそれで凄いことなんだけど、それに相対して源さんへの感情はもっともっとシンプルなもの。
星野源のつくる音楽が好き、というその一択。それだけでライブにきてるから、ご本尊はちょっと拝めるだけでぜんぜんいい。何よりとにかく生の音楽が自分のところに届いているだけでしあわせ。ていう感じ。
これが「アイドル性のなさ」という表現の所以なわけですが、もしかしたらこの感情のほうがよほど宗教じみたものかもしれないw

で、登場した源さん。
数曲うたい、超フレンドリーに客席に話しかけてくれたw
・「うしろの人見える?もっと詰めたほういいよね?」→スタッフさんに詰める指示をしてくれと懇願→客席ぞろぞろと詰める
・「僕のライブはみんな倒れるんですーw(略)札幌でも4人倒れて。戻って来れなくて可哀相だから、その人に名前付けてあげたの、ヨシコっていう」
みたいなwこんなに客席を心配してくれるアーティストを未だかつて観たことはありませんwwww
ちなみにこのとき、既に2人ほど倒れて運ばれた人がいて(完全NOモッシュなのに。なんでだw源さんいわく「暗い曲ばっかりで血の気が引いちゃう?」w)、その方々には「エリカ」「さおり」って名前が付けられていた(※別に…のひとと、由紀さん。いろいろカムバックしたお二人だからw)
その類の話で、しっかり客席とお話をしてくれていた。気遣いもすごい。やさしいなあ。。

肝心の曲は、もう、ひとつひとつ噛み締めて聴きました。
くだらないの中に、くせのうた、日常、湯気、ストーブ、グーグー、エピソード、茶碗、バイト、などなど(順不同)。
ずっとほんとに泣かされっぱなし。成人してからの自分の人生におもいあたる節があることばっかり。そういう共感でとにかくぐっとひきこまれるのだよなあこの人の曲は。本人は共感がなくとも、って歌ってるけど。

最近親族を亡くしたわたしには、グーグーとストーブが堪えた。おいおい泣いた。
あまりに自分の気持ちに寄り添いすぎていて、この人エスパーかっておもうくらい。言葉に重みがある。で、ぐいぐい固く閉じたところをこじあけていって、いつの間にか悟りをひらいたような、やさしい気分になる。すごいカタルシス

くだらないの中に、は、もはや代表曲になっているだけあって、本当にいい曲。泣いているお客さんがいっぱいだった。わたしも泣いたし、一緒に行った子もぼろぼろ泣いていた。一切口には出さなかったけど、震災後の地で歌うことを少なからず意識しているのはひしひしと感じられたし、その歌詞がこれほどに意味をもつ場所もなかなかなかろうと思った。ようやく1年経つ出来事、それから個人的なもやっとした感情を、ぜんぶ包み込んで昇華してくれるような心地。
モッシュとか、激しいノリとか、本当にないのです。それなのに、なんていうか、観客みんなの、源さんたちの音楽に対する姿勢がとにかく一体だった。みんな全身全霊で聞き入ってた。あれはちょっと忘れられない。
それは源さんが、マイペースながらも確かに伝えたいメッセージを魂込めて歌っているからであって、それにお客さんが応えているだけなんだけれど。確かな音楽って言うのは聞き手が確かに応えてくれる。それを痛感した時間でした。

あー。長く話しちゃったけど、とにかくよかったんだ。
源さんの音楽は、眠れない子守唄だなー、とおもった。穏やかに、多面的な感情を赦してくれる。けど、それによってがんばって生きてみようかとおもえる。限りなく穏やかに、高ぶった神経を治癒させてうまい具合にシフトしてくれる。
あんな風に、呼吸するように、息を吸うように自然と集中して聴き入るライブは人生初めてだった。なんでこんなに興奮がわいてくるんだろう。源さんすごい。ほんとすごい。

余談?wですが、アンコールに雪が降る街(ユニコーン)を歌ってくれたのも、わたくしは大感激でした。。
源さんがユニコーンとか俺得すぎるwwwwwwwwwwwww あー。いいよね。おっきをつーけてーっ♪
そうそう、凄い雪だったからね。そういうさりげない演出、というか気遣い、も、さすがのものでした。感服。

素直にまたいきたい!スケジュール云々で決めかねてたあらばきに行く決意が、相当なところまで固まりつつありまする。
ちょっと歴史の一部を目撃したような気持ちにすらなってるよ。すごいライブでした。ありがとー源さん!